接着剤は使用する材質や用途に合わせて選ぶ必要があります。粘度や接着度など種類が多いため目的に合ったものを的確に選べるメリットがある一方、迷ってしまうという人も多いはずです。なかでもシアノアクリレートは接着剤の代表的な成分で、さまざまな用途で使える接着剤です。シアノアクリレート系接着剤の特徴や向いている素材などについて詳しく解説します。
シアノアクリレート系接着剤とは?
シアノアクリレート系接着剤の接着剤は強力な接着力が特徴で、さまざまな分野で活用されている1液硬化の瞬間接着剤の一種です。家庭用をはじめ、工業用や医療用など多くの場面で使われており、瞬時に硬化するうえに非常に強い接着性を発揮するのが特徴です。市販の接着剤ではボンドやのりも1液で接着されますが、接着する物の材質によってはすぐに剥がれてしまうなど、接着度が弱いといったデメリットがあります。
瞬間接着剤の主成分であるシアノアクリレートは水に対して重合反応を示す成分で、空気中の水分や被着材表面の水分と素早く反応して瞬時に硬化が始まるといった特性があります。
アクリル系接着剤の成分であるアクリロニトリルやアクリル酸メチルには起こりえない反応です。原理としては、炭素がシアノ基とカルボニル基と結合することによって水反応が開始して物質の表面に強固なポリマー層を形成し、素早く硬化を始めます。
これが瞬間接着剤が瞬時に接着を開始する仕組みです。アロンアルファなどの主成分として使われており、常温でも数秒から数十秒もあれば硬化されるのが特徴です。
シアノアクリレート系接着剤が選ばれる理由
シアノアクリレート系接着剤がさまざまな分野において選ばれているのは以下のような理由が挙げられます。硬化速度が速い
空気中の水分や物体表面の水分を利用して瞬時に重合開始することから、すぐに接着を行いたい時に非常に有効です。数秒から数十秒もあれば硬化するので、作業時間や接着を待つ時間が大幅に短縮できます。乾燥性も高いため、乾くのを待つ時間もかかりません。一般家庭においてはもちろんのこと、医療現場や製造現場においても時短効果が大きいため積極的に採用されています。
高い接着力
素早く接着ができてもすぐに接着が取れてしまっては意味がありません。シアノアクリレート系接着剤はプラスチックやゴム、金属、ガラス、木材をはじめ皮膚にも使える幅広い適応力です。常温でも短時間で高い接着力を発揮するので手軽に使用できるのも大きなメリットといえるでしょう。異種素材の接着も得意としており、接着後も強い強度を保ち続けるため安心です。
薄膜接着ができる
シアノアクリレートはミクロン単位の薄さでも十分な接着力を発揮します。非常に小さな部品や隙間が極めて狭い場合でも強力に接着します。薄膜接着だと接着部分が目立ちにくく、外観品質が高く保てるのも嬉しいポイントです。コストパフォーマンスの高さ
少量でもしっかりと接着することができれば、材料コストや工程コストを大幅に削減することができます。高強度かつ高耐久なシアノアクリレート系接着剤は、少量で薄膜でも十分な性能を発揮し使用量を抑えられるため、結果的にトータルコストの削減につながります。また、すぐに接着を行いたいといった際にホームセンターや家電量販店などで手軽に購入できるのも嬉しいポイントです。価格が安価であるのも選ばれている理由のひとつです。
シアノアクリレート系接着剤が向いている・向いていない素材
シアノアクリレート系接着剤は幅広い用途で使用することができますが、接着に向いている素材と向かない素材があります。アクリル樹脂などの硬質プラスチック、金属、合成ゴム、陶磁器、厚紙、木材、皮革などに対しては強力な接着力を発揮するため、これらは向いている素材であるといえます。反対に、ポリエチレンやポリプロピレン、フッ素樹脂、ナイロン、シリコンゴム、ガラス、発泡スチロールなどは接着に向いていない素材です。
ポリエチレンやポリプロピレンは軟質プラスチックで、接着剤が浸透しづらいといった特性があるからです。フッ素樹脂は表面張力の弱さから接着剤が密着しにくく、強度が弱くなってしまうためです。
ナイロンやガラスは表面が滑らかで接着剤が安定しづらく、シリコンゴムも表面が滑らかなうえに柔らかいため接着剤が剥がれやすくなってしまうことから向いていません。発泡スチロールは接着剤で材質が溶けてしまう場合があり、接着には向かないとされています。